Professional Coach 大野裕之

コーチングセミナー講師の独り言 4

更新日: 2019年6月11日

 コーチングセミナー講師をさせて頂き、様々な人との出会いがあり、そこで伺う色々なお話。それらの一つひとつが私に新たな刺激とコーチングの可能性を再認識させてくれます。私の気持ちを動かしてくれたお話をご紹介させて頂くのが「コーチングセミナー講師の独り言」です。

 セミナー終了時に参加いただいた皆様にはアンケートにご協力いただいております。その中に「どのような気付きがありましたか?」という質問がございますが、回答として一番多いのは「質問の重要性を認識しました」「質問の大切さを知りました」等の内容のものです。つまり質問に対する認識に多少の変化があったと考えた方が多いという事になります。

 セミナーの中で、初めてご参加いただいた人にインタビューのまねごとをしていただいております。すると皆さんは楽しそうにやり取りをなさいます。聞く方も聞かれる方もストレスを感じることなく、スムースに会話が流れていきます。そして聞かれていた方に質問します。「何かイメージは広がりましたか?」

 「楽しかった」「話しやすかった」といった感想は多く聞かれますが、「イメージが広がった」「新たな気付きがありました」「深く考えてしまいました」等の感想はあまり得られません。

 何の制限も設けないで初対面の方がお互いに質問をすると、当然ですが答えやすい質問が中心になります。お互いが相手を思いやる気持ちがそのようにさせるのでしょう。この傾向は初対面でなくても、その場の雰囲気を壊さない為であったりすると自然と出てくるものです。ラポールを形成するのはコーチングにとっても大事な事ではあります。

 ただここで考えて頂きたいことは、このような質問だけで構成された会話に、気付きや思考が生まれるでしょうか?という事です。

 もちろん、普段の会話からコーチングカンバセーションにしなければならないという事ではありません。ここで申し上げたいのは、コーチングのための質問はよく考えたうえで目的を持って行う必要があるという事です。

 そのような説明をさせて頂いたうえでもう一度お互いに質問をしていただくと、聞き役の方の考える時間が少し増えますし、聞かれている方も考えながら答えるようになります。

 そのことが最初に触れさせていただいた「質問の認識の変化」に繋がってくるのだと思います。

 皆さんも「イメージを広げる質問」にチャレンジしてみては如何でしょうか。


https://www.motivation-communication.com/d_listen/0106/

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