シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合4
「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第4回目です。
今回は「満足」の取り扱いのもう一つ 、「提案内容」実施後も継続あるいは増大する「満足」を明示する。 について進めて参りましょう。
状況がうまく回っていると思うときほど、新しいことを取り入れたり、変更してみたりすることには抵抗があります。「せっかく上手く行っているのだからこのままで良い」と考えるのは自然なことかもしれません。そのようなときに何か提案されると、未知の効果や、既存のメリット損失のリスク等を感じ、「不安」が生じてくることも考えられます。
つまり現状の「満足」は、そのままにしておくと「提案」に対して「不安」に直結する内容になりかねないという事です。「提案」を承認してもらうためには「期待」を増幅して「不安」を減少させることが大前提になりますので、「満足」に対して何かアプローチをする必要が出てきます。
それが 「提案内容」実施後も継続あるいは増大する「満足」を明示する。という事です。具体的に進め方をお示ししていきましょう。
まず「提案相手」の「現状」とその「評価 」を聞き取る際に、「現状」のどのようなところにどのような「満足」を感じているのかを聞き取るところから始まります。この聞き取りが不十分であると「提案内容」との比較において十分な効果が期待できません。このことは 前述の「満足」に存在する潜在的な「問題」のタネを自覚してもらう。 においても同様です。
次に、聞き出せたいくつかの「満足」を、「提案内容」を実施後も
1.そのまま継続できるもの
2.消失・減少・変更が必要となるもの
の二つに整理しておきます。
そして、 「2.消失・減少・変更が必要となるもの 」について、同じ目的あるいはそれに近いもので、「提案内容」に存在する新たなメリットの準備をしておきます。
これらの作業により「満足」をそのまま「期待」へとつなげます。
例えば、中小企業の社長に新しい製造機械の購入を提案しようと考え、「現状」の機械への「満足」を聞き出していると、 「従業員2名で稼働できる」 、「操作に慣れているため扱いやすい」の2点が上がったとします。新しく「提案」する機械も2名で稼働が可能であれば、 「従業員2名で稼働できる」 は「1.そのまま継続できるもの 」に分類されます。しかし 「操作に慣れているため扱いやすい」は 機械の変更によって消失しますので、 「2.消失・減少・変更が必要となるもの 」に分類されます。
この場合、現状の機械が5つの工程で製品が完成するのに対し、「提案」しようとしている機械が3つの工程で製品が完成するという特徴があったとしたら、「慣れてしまえば、最終的に扱いやすくなるのは新しい機械である」という準備をしておきます。「扱いやすさ」という同じ目標のメリットを提示することになるわけです。 ここまで準備をしておきます。
前回と今回で「満足」の取り扱いについて話を進めて参りました。ここまでの
1.「満足」に存在する潜在的な「問題」のタネを自覚してもらう。
2.「提案内容」実施後も継続あるいは増大する「満足」を明示する。
の作業が上手く進んでいれば、
「満足」=「提案内容」への「不安」
から
「満足」=「問題」のタネ+「期待」+減少した「不安」
となっているはずです。ここまで出来れいれば「満足」への準備は十分です。
では次回は「問題」について話を進めて参りましょう。
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