シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合2
「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第2回目です。
「提案相手」の「現状」とそれに対する「評価」を知るために必要となってくるのは、「質問」のスキルになります。「質問」により正しい情報を入手することによって、的確な提案へと繋がっていきます。
しかし「提案者」が聞きたいことをやみ雲に問い続けると「提案相手」は警戒し、あるいはうるさく思い、正しい情報の入手に繋がらない場合もあります。「質問」のつもりが、「詰問」「尋問」のようになってしまい、「提案相手」に不安感や不信感を与えることにもなりかねません。「提案相手」が社外の人や顧客である場合は、共通の目標がないところから会話が始まることもありますので、その点はよく注意しなければならないでしょう。
ではどのようなところに気を付けて質問をすれば良いでしょうか?まず次の2点を意識してみましょう。
1.答えやすい、答えたい質問から始める。
2.答えた内容には、共感、承認の態度を示す。
答えやすい質問とは、質問の難易度だけの事ではありません。「提案相手」がその質問に答えることに抵抗感がないという意味も含まれます。答えたい質問とは正に「聞いてほしい事」です。例えば、売り場で途方に暮れている顧客に「何かお探しですか?」という場合もあれば、好業績が続いている部署の責任者に「業績の維持のために何か意識されていることがございましたら教えて頂きたいのですが?」とか「部署の皆さんのモチベーションをどのように保っていらっしゃるのですか?」等もこれに当たるかもしれません。答えやすいことや、答えたいこと、答えていて気持ちの良いことは、次の質問へのハードルを下げ、結果的に入手できる情報量を増やします。
また質問の答えに対してそのままにして次の質問に移るのではなく、「なるほど、そういう事なのですね。」あるいは「大変興味深いお答えですね。もう少し詳しくお聞かせ願いますか?」と言った共感や承認を示すことで、上記と同様の効果が期待でき、やはり結果的に入手できる情報量が増えることに繋がります。
そのようにして質問を重ねていきますと、「現状」とそれに対する「評価」のうち「満足」は聞きやすく入手は進みます。しかし「問題」に関しては、場合によってなかなか入手に繋がらない事もあります。例えば、売り場で困っている顧客はおそらく「問題」を入手するのにそれほど困ることはないかもしれませんが、業績の良い部署の責任者の方から「問題」を入手することは難しいかもしれません。そのような場合は無理に聞き出そうとせず「今、何か気になることはありませんか?」「より一層業績を上げるためにはどのようなことを考えていらっしゃいますか?」と言った表現でも十分だと思います。
ではそのようにして聞き出した「現状」とその「評価」、つまり「満足」と「問題」をどのように提案につなげていくのかという事ですが、その点について次回から順番に話を続けて参りましょう。
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