シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合14
「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第14回目です。
では、実際に提案していきましょう。
営業マン「社長、お邪魔致します。本日も貴重なお時間を頂きましてありがとうございます。」
社長「いや、××さん。今日は何か良いお話を持ってきてくれたのかな?」
営業マン「はい、先日の社長のお話を伺って、私なりに色々考えてみました。」
社長「楽しみだね。早速聞かせてほしいな。」
営業マン「その前に、一つお伺いしてい事がございます。2台目をご購入いただいたら新たにお二人採用することになるとおっしゃっていましたが、その場合作業の割り当てはそれぞれどのようになさろうとお考えですか?」
社長「 そうだね、今いる二人には難易度の高い操作・管理・材料補充を担当 して貰い、未経験者には製品の梱包、出荷準備を担当してもらおうと考えているよ。」
営業マン「なるほど。そうしますと4人のうち3名が新しい仕事を覚えなければならないという事になりますね」問題のタネの顕在化
社長「まあそうなるね。仕方ないよ、いきなり新しい人のどちらかに機械の操作・管理等をやらせるわけにいかないからね。」
営業マン「先日のお話で、社長は受注が増えて対応が難しくなってきているとお話しされていました。更にもう一台購入となると、人件費が倍近くなるとのお話もございました。そして作業については3人の方に新たな作業を覚えて頂く必要があることが分りました。そこでそれらの問題を一気に解決できるのではと思われる案をお持ちさせて頂きました。お話お聞きいただけますか?」問題の確認
社長「どんな話だい?」
営業マン「はい、弊社といたしましては現在ご使用頂いております□□□□をもう1台購入いただくのではなく、新型の△△△△を2台ご購入いただく事をお勧めさせて頂きます。」⇐提案内容「と申しますのは、△△△△は□□□□の後継機種であり、何より優れている点は、専用ソフトをPCに取り込んで頂きますと、4台までなら操作・管理が一括で出来る点でございます。つまり2台ご購入いただきましても操作・管理等の担当をする人数が一人で済むことになります。また作業内容につきましても、製品の梱包・出荷準備は今までと変わりませんし、操作・管理につきましても、後継機種という事で大きく変わることはございません。複数台管理の方法を覚えて頂く位の内容です。そうなりますと、まず新しく採用が必要となる人数は1名となり、その方は作業を覚えて頂きますが、今迄梱包・出荷準備を担当なさっていた方はそのまま作業につきますので、指導もやり易いと思いますし、操作・管理等の担当の方が少し新しい操作法を覚えるだけで、今までの倍の生産数を確保することが出来ます。」 ⇐ 提案理由 問題の解決による期待「更に今までの高品質は後継機種ですので当然そのまま確保されます。」 ⇐ 継続する満足による期待「如何でしょうか?」
社長「確かに、いくつかの問題は解決されるがね・・・。そもそも2台購入するなどと考えたこともなかったからね。まず購入費用の問題があるよ。」不安
営業マン「そうですね。確かにおっしゃる通りです。□□□□を1台購入いただくと400百万円、△△△△を2台購入いただくと1台5百万円ですので1千万円になります。その差は600万円あります。ただその場合、人件費は1名分必要がなくなります。お一人の人件費が福利厚生費等も込みでどれくらいになるか詳しくは分かりませんが、恐らく差額600万円分を埋めるのにそれほど長くはかからないのではないでしょうか。また3台目以降が必要となった場合でも、4台までは増員は1台につき1名ですので、その点でも費用増大の懸念は減るのではと思いますが、如何お考えでしょうか?」不安の減少
社長「なるほど・・・。長期的視点に立ってもその方が得かもしれないね。もう少し詳しく聞きたいから、次回は詳しい資料と見積もりを持ってきてくれないか。資金繰りとかもあるけど前向きに考えてみるよ。」
営業マン「ありがとうございます。では次回お目にかかれる日を決めさせていただきたいのですが・・・」
今までお話しさせて頂いた流れに従って、提案を組み立ててみました。如何でしたでしょうか。イメージはつきましたか?
今まで提案術実践編でご紹介させて頂いた内容は、たった1枚のシートでシンプルにご紹介させて頂いております。詳しくは「ホーム」下段の「お問い合わせ」から必要事項をご入力の上、お問い合わせください。