Professional Coach 大野裕之

シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合10

更新日: 2019年5月9日

「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第10回目です。

 今回からは、今までお話しさせて頂いた事を実際の場面で再現してみましょう。設定は製造機械メーカー の営業マンと町工場の社長との面談場面です。営業マンが町工場の社長を訪れ会話を始めました。


営業マン「社長、いつも大変お世話になっております。○○機械の××です。本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございます。」

社長「いや、いつもご苦労様。今日は何かあるのかい?」

営業マン「はい、弊社の工作機械□□□□をご購入いただき今月で丸3年となります。ありがとうございます。本日は、改めまして□□□□のご評価や何かお気づきの点等ございましたら、是非お聞かせいただきたくお時間を頂きました。実際3年間ご使用いただき如何でしょうか?」

社長「いやいや、問題ないよ。うちは生産から発送までは社員二人に任せてあるんだよ、私は主に外回りをしているからね。二人に聞いても、最初は慣れなかったせいもあって少しもたつく場面もあったらしいけど、慣れてしまえば扱い方も難しくないと言っていたし、何より出来上がった製品の品質が格段に上がったと思うよ。これは大変うれしいことだね。気になることは特にないよ、全く。」

営業マン「ありがとうございます。社長にそのようにおっしゃっていただけますと、弊社といたしましても大変うれしく存じます。ところで社長、何か大変お忙しそうですね。」

社長「そうなんだよ。実はこれも□□□□のおかげなんだよ。製品の品質が上がったこともあって、あれから毎年受注が増えていてね。毎年30%位増えているんだよ。お陰で忙しくなってね。嬉しい悲鳴だよ。この機械を紹介してくれた××さんには、本当に感謝しているよ。」

営業マン「ありがとうございます。それにいたしましても毎年30%はすごいですね。納品のペースは如何ですか?」

社長「そこなんだよね。今はまだ二人に頑張ってもらって大きな遅れは出ていないけど、この先もこのペースで増え続けると納品が遅れる可能性も出てくるかもしれない。品質を上げたことでようやく出来てきた信用が、納品が遅れるようなことがあると崩れてしまうかもしれないからね。まあ、これもうれしい悲鳴なんだけどね。そこでね、ちょっと考えていることがあって、こちらとしても××さんにお話ししたいことがあったんで、今日は丁度よかった。」

営業マン「どのような事でしょうか?」

社長「実はね、もう1台□□□□の購入を考えているんだよ。そうすればしばらくは受注に対応できると思ってね。どう思うかな?」

営業マン「弊社と致しましては大変うれしいのですが、1点お伺いさせて頂いても宜しいですか?□□□□は稼働させるために1台につき2名の人員が必要となります。現在お二人で1台を稼働頂いておりますが、もう1台となりますとあと二人の方が必要となりますが、そこはいかがお考えなのでしょうか?」

社長「うん、わかっているよ。だから二人新しい人を雇う事も併せて考えているんだ。人件費は倍近くにはなるけど、そうしていかないとちょっと対応できないかなと思ってね。
 あ、ごめん。そろそろ出かけなければならない時間だ。本当にここのところ忙しくてね。今の話だけど××さんもちょっと考えてくれるかな。もっと良いアイディアがあったら聞かせてほしいしね。宜しく。」

営業マン「畏まりました。次回お会いさせて頂く日までに、何かご提案できますように私の方でも色々考えてみます。本日はありがとうございました。」


 次回からは、この会話から提案内容を考え組み立てていきましょう。


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