シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合1
「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第1回目です。
提案を対面で行う場合の一番のメリットは、会話をしながら進めることが出来る、つまり提案相手の話を聞くことが出来る点にあります。提案相手から話を聞くことが出来れば様々の情報入手は可能となり、「期待」「不安」を推測することが容易になる場合もあります。しかしお互いの関係性や面談時間の長さにより、すべての情報が手に入り、容易に「期待」「不安」が推測できない事も多々存在します。ではその限られた状態の中で、どのような情報を手に入れるべきでしょうか?
それは提案相手の「現状」とそれに対する「評価」です。そもそも提案とは提案相手に何かしらの「変化」を要望することが殆どです。例えば、商品やサービスの購入、ルールの改正、予定外の行動、選択肢の追加等、「このまま何も変えずに今まで通りに進めていきましょう」という提案は、現状に対する意見を求められたとき等、特殊な場合に限られたことだと思います。そして「変化」を提案するのであれば、「変化」の前の状態、つまり現状を聞くことは不可欠になります。「現状」と「提案内容」を比較することによって、はじめて「期待」と「不安」の予測が可能となります。
そしてその現状に対して提案相手はどのような「評価」をしているのかという点も大事になってきます。この「評価」をあえて「満足」と「問題」という二つに分けて考えてみましょう。「満足」とは現状に対して何の違和感もなく変化を望んでいない状態であり、「問題」とは文字通り何か問題意識がある状態とします。
現状に対する「評価」と提案に対する受け入れ態勢で考えると、現状に対しての評価が「問題」ばかりの時は「変化」の必要性を強く感じているので、提案を受け入れやすい状態にあります。対して「満足」が多いのであれば、「変化」は必要ないので提案を受け入れにくい状態であるという事が言えると思います。つまり「問題」の解決は「期待」に繋がり、「満足」の変化は「不安」に繋がるという事です。
提案を承認してもらうためには、「期待」を増幅させ「不安」を減少させることが必要になってきます。「期待」が「問題」の解決であり、「不安」が「満足」の「変化」であるという事は、「問題」の解決を増幅させ、「満足」の「変化」を減少させることが、提案の承認率を上げることになります。
「現状」と「評価」について、その入手方法も様々考えられます。例えば、社内のシステム改善プロジェクトのようなものは、最初から何かを改善するのが目的で立ち上がっていますので、問題が明確であったり、また問題を見つけに行く体制が「提案者」「提案相手」双方に出来ている場合もあります。そのような場合は、そこを確認することにより「現状」とそれに対する「満足」「問題」を共有することが可能となることもあります。
しかし「提案相手」が顧客のような場合は、「弊社で分析致しましたところ、御社(貴方)の現状及び満足なさっているところ、問題点はこのような内容でございますので、本日はこちらの商品をお持ち致しました。」というアプローチは出来ません。
ではそのような場合「提案相手」の「現状」とその「評価」をどのように入手すればよいのでしょうか?また、入手した「満足」と「問題」を基にどのように提案を組み立てていくのでしょうか?次回から具体的な話を進めて参りましょう。
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