シンプルな提案の組み立て方 入門編4
提案を「期待」と「不安」の二つの要素で考えシンプルに組み立てる「提案術」入門編、その第4回目です。
では前回の設定を使って組み立てていきましょう。
~設定~
上司への提案
提案内容:今年度は成績が振るわなかったので、マインドセットのため年度末に決起大会を兼ねた食事会を行いたい。
(事前準備)
1.「期待」を増幅させるフレーズを考える。
ここでは事前に予想した「期待」をそのまま使います。あまり多くなっても纏まりがなくなってしまいますので、多くても3つくらいまでにしておきましょう。今回は
通常の会議より良い結果に繋がるかもしれない。
メンバー間の情報共有が進むかもしれない。
の二つを選びました。
2.「不安」を減少させるフレーズを考える。
ここでは事前に予想した「不安」に対する簡単な対抗措置を準備しておきましょう。前回の設定ですと
1 .費用の詳細が不透明で誰がいくら負担するのか ⇒ ご承認いただければいくつかの会場で見積もりを取ります。費用に関しては参加者の負担が多くなりすぎますのもどうかと思いますので、出来れば部署予算から出せる範囲を事前にお伺いしたいと思います。
2.決起大会を行ったくらいで効果は期待できるのか ⇒ 効果を最大限にするために、このためのプロジェクトメンバーを数名選び、相談させて頂きながら進めたいと思います。
3.食事以外の計画が無く、目的がはっきりしない ⇒ 中身につきましては、事前に今期の課題をあぶりだし、どのように克服していくかというところに主眼を置こうと思っています。
等の準備をしておきます。
では実際の提案方法です。
- 提案内容を話す ⇒ 年度末に決起大会を兼ねた食事会を行いたいと思います。
- 提案理由を話す ⇒ と申しますのは、今年度はあまり成績もよくなく全体的に雰囲気も暗く沈みがちです。このまま来年度を迎えてもあまり良い成績が期待できるとは思いません。そこでマインドセットのためにも食事会を付けた決起大会で心機一転を図りたいと思います。
- 「期待を増幅させるフレーズ」を重ねる。
更に、通常の会議ではありませんのでいつもと違った様々な発言や効果も期待できますし、またメンバー間の情報共有がより一層進む良いきっかけにもなると思います。
ここ迄で、1度クローズ。 如何でしょうか?
不安要素の話が出てきたら
例えば: 決起大会を行ったくらいで効果は期待できるのか?
- 認めたうえで、該当の「不安を減少させるフレーズ」を質問で伝える
そうですね。おっしゃる通りです。やはり効果を最大限にするために、このためのプロジェクトメンバーを数名選び、上司に相談させて頂きながら企画を進めさせていただくというのはいかがでしょうか?(質問)
以上のように組み立てていきます。上司が抱くであろう「期待」を重ね、「不安」に対する準備をしておくだけで、提案内容はこれだけ違ったものになります。提案者は提案相手に対する配慮から事前に準備をしておくことによって、提案相手に響く提案へと仕上がります。また、
1.提案内容
2.提案理由
3.期待を増幅させるフレーズ
4.不安を減少させるフレーズ
を事前に整理しておくことで、重なりや漏れのない整理された提案となり、提案相手にも伝わりやすくなります。提案が必要となった際にはお試しください。