シンプルな提案の組み立て方 入門編1
提案を「期待」と「不安」の二つの要素で考えシンプルに組み立てる「提案術」入門編、その第1回目です。
人に何かを提案する場面。これはどのようなビジネスであっても、またビジネス以外でも必ず訪れる状況です。こちらの考えていることを提案相手に十分に理解してもらい、そして提案内容を承認してもらう事。これが提案の目的です。
提案相手は状況により様々存在するでしょう。身近なところでは、上司、同僚、部下、また別の部署の方、社内の幹部等から、顧客、株主、他社、関係省庁等まで、仕事に関連する人すべてが対象になりえます。また、チームメイト、サークルの仲間、友人、家族等のプライベートにおいても同様です。
また提案内容においても同様に様々存在します。顧客に自社製品やサービスについての提案、上司に会議の運営方法についての提案、株主に今後の会社経営方針についての提案等から、同僚に次回の社内旅行の候補地についての提案、家族に夏休みのイベントについての提案・・・。
これら相手も内容も様々な中でどのように考え行動すれば提案が上手にできるようになるのでしょう。
もう一度提案の目的について振り返ってみましょう。提案の目的は、こちらの考えていることを提案相手に十分理解してもらい、提案内容を承認してもらう事、です。この目的はどのような状況であっても同じことです。つまり、提案相手の理解と承認を得る確率をどのように上げていくか、その方法を考え組み立てる術が「提案術」です。
提案の場面を考えてみましょう。そこには提案する側(提案者)と提案を受ける側(提案相手)が存在します。提案者、提案相手ともに何も一人とは限りません。複数名であったり、また提案相手が不特定多数の場合もあります。そして提案内容の採択権は、ほとんどの場合提案相手にあります。これが提案者にある場合は、それは提案ではなく指示・命令に近いものでしょう。
提案者は提案相手の理解と承認を勝ち取ろうと様々な情報提供をします。提案相手はその情報から承認すべきか却下すべきかを判断していきます。
ではその判断基準は、提案相手のどのような考えから来るのでしょうか。
それは提案内容に対する「期待」と「不安」です。
提案相手は、その提案に全く無関心でない限り、それが自分や自分たち等にとってどのような変化や維持がなされるのだろう、という観点で聞きます。そしてそれはどのような「期待」に繋がり、どのような「不安」を与えるのか?このことを基準に内容を吟味します。「期待」が大きく「不安」が小さければ、それだけ承認される可能性は高くなるという事です。
つまり提案術とは、「期待」を大きくし「不安」を小さくする提案の組み立て方です。
次回は「期待」と「不安」についてもう少し詳しく考えてみましょう。