シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合13
「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第13回目です。
今回は「満足」以外の3つの箱、つまり「問題」「期待」「不安」を整理して参りましょう。
まず「問題」ですが、この箱は既に 社長との会話の振り返りの中で以下の2点は分かっています。
「問題」
1.受注に生産が間に合わなくなりそうだ。
2.もう1台購入した場合2名の雇用が必要となり、人件費が倍近くかかりそうだ。
また「満足」から移動してきた問題のタネ「現状では作業に対して問題はないが、2台になると状況は変わる」が入ってきました。
現在「問題」の箱にはこの3つが入っています。
次に、「期待」と「不安」の中を整理していきましょう。「期待」と「不安」は「提案内容」を提示後に「提案相手」が抱くであろう「期待」と「不安」ですから、この場合は「 新型の△△△△の2台購入を勧める 」という提案をされた後に、社長がどのような「期待」と「不安」を持つかという事です。
では、「期待」から考えましょう。
最初にわかるのは、「問題」の中身の3つが解決・解消されるかもしれないという点です。そもそも「提案」の目的は、この「問題」を解決・解消することですので、当然「期待」へと繋がります。
次に「満足」から移動してきた「 製品の品質が格段に向上した 」もその品質は維持されるため、ここに入ります。つまり、3つの「問題」の解決・解消と1つの「満足」の維持が入っています。
最後に「不安」の箱の中身です。
ここに入っているのは、まず「満足」から移動してきた「 生産体制についてはもう1台購入でその問題も解決できそうだ 」になります。つまり、社長はもともと1台購入という前提でしたが、そこに2台購入という「提案」をするわけですから、社長にとっては全くの想定外です。具体的には購入費用に対する「不安」が出てきます。
また、今までの機械と違い新機種を導入するするという事は、作業そのものに対しても大きな「不安」が存在するかもしれません。
「不安」の箱にはこの二つが入ります。この二つに対して「不安」を減少させるフレーズを事前に考える必要があります。
では「購入費用」について考えましょう。400万円1台購入と500万円2台購入は、単純に600万円の購入費用の増加があります。しかしこの600万円は、人件費が1人分減ることでいずれ償却されていくのではないでしょうか。人件費はこれから毎年かかっていきますが、機械の購入金額は支払いが終わればそれ以上はかかりません。長い目で見ればこちらの方がコストカットに繋がります。
次に「作業」についての不安です。新しい機械は、今までの機械のヴァージョンアップ版ですので、作業そのものは大きく変わりません。 特に製品の梱包、出荷準備担当の方は全く同じ作業です。 操作・管理・材料補充担当 の方も作業はかえって簡略化されていますので、2台同時管理の作業になれてしまえば、今まで以上に簡単に稼働させることが出来ます。また新たな1名の社員の方は、今まで 製品の梱包、出荷準備担当をなさってきた作業をまじかで見ながら作業を覚えることも出来ます。
二つの「不安」に対しての準備をこのように整えておきます。
これで準備完了です。それでは次回から順番に従って提案していきましょう 。
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