Professional Coach 大野裕之

シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合8

更新日: 2019年5月3日

「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第8回目です。

 今回は「不安」に対するアプローチになります。

 前回にも触れましたように、 「不安」がない状況というのは殆どないと言っても良いでしょう。例えばそれが何かの「変更」や「中止」、「新たに始めること」等に対する提案であれば、無条件で「煩雑さ」という「不安」はありますし、費用を伴うものであれば、価値と価格のバランスに対する不安もあります。そこは十分に理解したうえで対応しなければなりません。

  既に「期待」を増幅させるアプローチで「満足」内の
・「提案内容」実施後もそのまま継続できるもの
・「提案内容」実施後に同じような目的に変換できるもの
の2点に対する作業で「不安」の減少に対してアプローチは始まっています。しかしそれ以外の要素に対してはまだ作業をしていません。ではそれ以外の要素とは何か考えてみましょう。

 一つは、「提案内容」から推察される「提案相手」が抱くであろう「不安」になります。これは「提案内容」の良し悪しに関わらず存在する「変化への不安」「煩雑さ」といったものから、「提案内容」の欠点や理解不足によるもの、また「新たな労力・理解」や「価格」等も場合によっては不安の要素となります。

 もう一つは、「満足」に存在していた「・その他」に含まれているものです。ここにあるものは「提案内容」によって消失してしまう「満足」要素という事になります。内容としては上記のものと一緒になる場合もありますが、「今ある顕在化した満足」をまだ見ぬ「提案」によって失うことは大きな「不安」に繋がりますので、特に注意が必要となります。

 内容的に分けて考えますと、次の二つに大別できます。
1.どの「提案相手」でも抱くであろう「不安」
2.個々の「提案相手」が抱くであろう別々の不安
1については、例えば「煩雑さ」、「変化への不安」、提案内容の欠点、価格等があり、「新たな労力・理解」や「満足」の「・その他」に含まれていたものは2の範疇に入る場合もあります。

 どちらの範疇であろうとも大事な事は正しく予測がなされていたかどうかです。難易度で申し上げますと1の範疇のものが予測しやすいでしょう。ある意味これは入門編での予測の仕方と変わりません。しかし2の範疇のものは少し難易度は上がります。ではこれはどのようにして導き出すのでしょうか?

 これも「質問」のスキル(詳しくは実践編 対面2をご覧ください)になります。この段階に至るまでに「提案相手」の「現状」とそれに対する「評価」に関して、質問のスキルを駆使して情報を得ているはずです。それらの情報を組み合わせて推察し、場合によっては「提案相手」に確認しながら、「不安」を確定させます。

 確定した「不安」に対するアプローチは、次回お話しさせて頂きます。


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