Professional Coach 大野裕之

シンプルな提案の組み立て方 実践編 対面の場合6

更新日: 2019年4月27日

「提案相手」と対面の状態で、どのようにして提案をしていくのか。それは「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの要素で考えシンプルに組み立てます。提案術の実践編 対面の場合の第6回目です。

 今回から実際に組み立てる作業へと話を進めましょう。ここからの内容は入門編でお話しした内容が大事になってきますので、もしまだ入門編をご覧いただいていないようでしたら、ご一読いただいたうえで読み進めて頂ければ幸甚です。また、実践編 対面の場合5まで進めてきた話と重なる内容もありますが、流れの中で実感して頂くために、あえて記載させて頂きます。

ここからは、「満足」「問題」「期待」「不安」の4つの箱が存在するという考え方で話を進めさせていただきます。

 さて、現在以下にお示しする内容がそれぞれの箱に存在しているはずです。

「満足」の箱の中には
1.「問題」のタネにつながるもの
2.「提案内容」実施後もそのまま継続できるもの
3.「提案内容」実施後に同じような目的に変換できるもの
4.その他

「問題」の箱の中には
明確化された「問題」

「期待」の箱の中には
「提案相手」の立場で推定される「提案内容」に対する期待感

「不安」の箱の中には
「提案相手」の立場で推定される「提案内容」に対する不安感

 入門編でお話しさせて頂いたように、「期待」と「不安」に振り分けられれば、その「期待」を増幅し「不安」を減少させることで提案は組み立てられます。その点を意識しながら「満足」と「問題」の箱に入っているものを、「期待」と「不安」に移動させていき、提案を完成させていきましょう。

 まずは、「満足」の中にある「問題」のタネから作業を始めます(詳しくは実践編 対面3をご覧ください)。具体的には「問題」のタネを「問題」に移動させます。ここでまた質問のスキルを使っていきます。「提案相手」が自覚した「問題」のタネに関して、「それは具体的にどのようなリスクにつながりますか?」「このままでいくとどうなりますか?」「もしそれが解消されるとどのようなメリットがありますか?」と言った内容の質問をすることによって、「提案相手」に解決・解消したいという欲求を自覚してもらいます。そのことによって「問題」のタネは「問題」へと顕在化されます。

 次に、「問題」に対するアプローチです(詳しくは実践編 対面5をご覧ください)。入門編でお話しした「提案内容」「提案理由」をここで提示します。つまり、ここにある「問題」の解決・解消手段が「提案内容」であり、「現状」と「理想・願望」のGAPと解決・解消の必要性やそのプロセス等が「提案理由」となるわけです。「問題」にフォーカスされていない「提案」は、その段階である意味「的外れ」なものとなります。
「問題」に対するアプローチは「提案」そのものです。ですのでこのアプローチに対する「提案相手」が抱くであろう「期待」と「不安」を推定する必要が出てきます。ここでの「期待」が大きく、「不安」が小さければ承認される可能性が上がってくるわけです。

 「提案内容」と「提案理由」を組み立てたので、これから「期待」の増幅と「不安」の減少の作業となります。次回はそこから話を続けさせていただきます。


 提案術実践編でご紹介する内容は、たった1枚のシートでシンプルにご紹介させて頂いております。詳しくは「ホーム」下段の「お問い合わせ」から必要事項をご入力の上、お問い合わせください。

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