シンプルな提案の組み立て方 入門編3
提案を「期待」と「不安」の二つの要素で考えシンプルに組み立てる「提案術」入門編、その第3回目です。
では今回は実際に提案を組み立て方を学んで参ります。前回の設定をもう一回使って話を進めて参りましょう。
~設定~
上司への提案
提案内容:今年度は成績が振るわなかったので、マインドセットのため年度末に決起大会を兼ねた食事会を行いたい。
この内容で提案を行ってもらうと、「年度末に決起大会を兼ねた食事会を行いたいと思います。と申しますのは、今年度はあまり成績もよくなく全体的に雰囲気も暗く沈みがちです。このまま来年度を迎えてもあまり良い成績が期待できるとは思いません。そこでマインドセットのためにも食事会を付けた決起大会を行いたいと思いますが、如何でしょうか?」と言った内容になることが多いようです。この提案を詳しく見ますと、「年度末に決起大会を兼ねた食事会を行いたい」の提案の趣旨、いわば提案内容と、「今年度はあまり成績もよくなく~」の提案理由の二つに分かれます。
この提案を聞いた上司役の「期待」として
1.通常の会議より良い結果に繋がるかもしれない。
2.参加者のモチベーションアップに繋がるかもしれない。
3.メンバー間の情報共有が進むかもしれない。
等に集約される傾向がありました。しかし先程の提案にはそのような内容は含まれていません。
同じようにこの提案に対する上司役の「不安」として
1.費用の詳細が不透明で誰がいくら負担するのか
2.決起大会を行ったくらいで効果は期待できるのか
3.食事以外の計画が無く、目的がはっきりしない
等に集約されていきました。こちらもやはりこの不安を減少させるような話は、当初の提案には含まれていません。
これらの「期待」「不安」は、立場を変えれば事前に予測することが可能であるということは分かっています。そうであればこれらの内容を提案に上手く組み込めれば、承認される確率は上がるはずです。その考え方に基づき提案を組み直します。組み立て方を以下に示します。
・提案を組み立てる
(事前準備)
1.「期待」を増幅させるフレーズを考える。
2.「不安」を減少させるフレーズを考える。
提案方法
- 提案内容を話す
- 提案理由を話す
- 「期待を増幅させるフレーズ」を重ねる。
例:更に、~「期待を増幅させるフレーズ」~ということも期待できます。
ここ迄で、1度クローズ。不安要素の話が出てきたら
4.認めたうえで、該当の「不安を減少させるフレーズ」を質問で伝える
例:そうですね。おっしゃる通りです。その場合は、~「不安を減少させるフレーズ」~という対処をするのはいかがでしょうか?(質問)
この順番に従って、あとは機械的に重ねていきます。それぞれの説明と、そのことによって提案が実際どのように変わっていくかという事は、また次回にお話しさせて頂きます。