セリングスキルとの出会いと現在1
私とセリングスキルとの出会いも、以前の勤め先で営業部へのコーチングシステム導入がきっかけでした。
どのようにコーチングシステムを取り入れていくのか試行錯誤しているときに、当時の上司が営業職として規範となる行動、つまり営業職のコンピテンシーを軸として、コーチングの目標設定やアセスメントの共通指標として活用することを提案し、それが営業本部で承認されました。そのためにその行動のもととなるセリングスキルを整備し、全国の営業部員の普及するということも、コーチングシステムの導入と同時に行われていました。私はコーチングシステム導入のプロジェクトでコンピテンシーと関わり、社内コーチとなってからはセリングスキル研修のコンテンツ作成と研修講師として関わることになります。
当時の私はセリングスキルなる言葉に出会ったこともありませんでした。セールススキル、若しくはセーリングスキルなのでは?と思ったくらいです。しかし当時の上司はこの分野にも精通されている方でした(今考えても本当にすごい方です)。その方からセリングスキルの基礎を叩き込まれ、次にそれを全国の営業部員へアウトプットするために揉みに揉んでコンテンツとして完成させていき、そして当時の社内コーチのチームでキャラバンを組み全国の営業所へ普及活動を進めていきました。またコーチングが始まってからも、クライアントとなる営業部員との共通認識あるいは共通言語としてコンピテンシーとともに活用していきました。
セリングスキルの勉強を進めていくに従い、コーチングスキルの勉強を進めていったときと同じような感覚を味わうことが出てきました。それは、今までの自分の成功や失敗についてその原因が把握でき、腑に落ちるような感覚です。そしてもう一つ、コーチングスキルとの共通点の多さでした。
例えば、プランニングにおいて営業目標や活動目標と現状のGAPを探り、そこから課題を形成し、その課題に対して解決策を実行するといったプロセスであったり、顧客のニーズを探るための質問のスキルや、提案する際の顧客の現状と理想の対比等、これはまさにコーチングの考え方あるいはそのスキルと一緒ではないかと思う事が多々ありました。
そこでセリングスキルをより現実的にかつ分かりやすく伝えていく事にとって、コーチングスキルを身につけることは大きな武器となるのではないかと考えるようになりました。また営業職の方やその管理職の方にコーチングをすることが、私にとって二つのスキルを効率的に提供できる方法ではないかと考えるようになり、そして今までの経験から、営業部門に特化したコーチングシステムの導入も、それぞれの状況に応じた形で提供することが可能ではないかと考えるようにもなりました。
また、研修講師としての実力を養うために、在職時にプレゼンテーション研修やファシリテーター研修等の外部研修にも参加させて頂き、勉強を重ねてまいりました。